シャープと言えば、過去には液晶テレビのアクオスとプラズマクラスターで一世を風靡した日本を代表する家電メーカーですけど、最近では経営再建のため、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収され、外資系企業傘下となったことが話題になりました。
そんなシャープが、商標登録している独自技術「プラズマクラスター」技術によって育毛効果が得られることを実証したと発表しました。
臨床試験によると、プラズマクラスターのイオンを照射した箇所と、していない箇所を比べると、3ヶ月後の増えた本数に約2.5倍の差が出て、統計学的に有意な増加であることを確認したそうです。
ソース:http://www.sharp.co.jp/corporate/news/161013-a.html
プラズマクラスターって何?
プラズマクラスターとは、シャープは独自開発した特許取得技術で、プラズマ放電により、プラスとマイナスのイオンを作り出す技術。
カビ菌の除菌や浮遊ウイルス作用抑制などの効果があるとされ、同社の空気清浄機などのほか、車のカーエアコンやホテルの換気扇、各種交通機関の空気浄化システムなど、あらゆるところに採用されています。
一時期「プラズマクラスター」掃除機の効果について不当表示がニュースになったこともありますが、カタログ等で誤解を与える表示になっていただけで、プラズマクラスターの性能自体は問題ないとの声明を発表しています。
育毛効果と皮脂抑制効果、フケかゆみ原因菌(マラセチア菌)の抑制効果を実証
臨床試験期間はHARG治療センター
実際の臨床試験は、株式会社ナショナルトラストに委託し、HARG治療でお馴染みのHARG治療センター 新宿桜花クリニックが行った模様。
市販されているプラズマクラスタードライヤーよりも、15倍もイオン濃度が高い臨床試験用のイオン発生装置を用いて、現在育毛メソセラピーにてAGA治療を行っている20~70代の男女115名に約3ヶ月、毎日約20分間、頭部右側の剃髪部にイオン照射。1ヶ月毎に剃髪部の毛髪本数を計測。
計測した結果、イオンを照射した頭部右側は自然放置の左側に比べて、3ヶ月後に約2.5倍、本数が増えました。
頭皮環境改善検証試験でも良い結果に
株式会社総合医科学研究所で行った、健常者59名(40以上63歳以下の女性)を対象とした、3ヶ月の頭皮環境の改善効果を検証する試験では、頭皮水分蒸散量、頭皮油分量、フケかゆみ原因菌(マラセチア菌)の抑制効果が見られました。
また、被験者の実感(VAS評価結果)としては、髪のボリュームアップ、フケが気になる、頭皮のかゆみが気になる、白髪が気になる、頭皮のニオイが気になる、分け目が気になる、抜け毛が気になるといった各項目でイオン照射後に良好といった傾向が見られました。
薄毛用プラズマクラスタードライヤーの登場を待つ
上記のように、育毛、頭皮環境改善、どちらも良好な結果をもたらしたプラズマクラスターのイオン照射。
シャープによると、プラズマクラスターイオンの周囲に存在する水分子が肌をコーティングすることで保湿効果を得られることが判明しているが、そういった保湿効果が毛髪を生成する細胞の働きを活発化する環境を作っているのではないかという見解を述べています。
つまり、頭皮環境を守るバリア機能を作ることで頭皮環境が改善し、育毛効果も出るという感じでしょうか。
というわけで、現在のAGA治療と同じように毛髪の細胞がすでに死んでいる箇所には効果はないそうです。毛根が生きていれば効果がありますよってやつです。
ちなみ、臨床に用いたドライヤーは既存のプラズマクラスタードライヤーより高濃度のイオンを発生できるものなので、既存のプラズマクラスタードライヤーを利用しても同様の効果は得られないようです。
シャープによると、今後プラズマクラスター技術を進歩させ、理美容分野で広く貢献できるようにしたいとのこと。
薄毛用に高濃度のイオンを発生できるように調整された薄毛用育毛プラズマクラスタードライヤーの登場を待ちましょう。