
AGA遠隔診療
最近在宅のままネットで診察して薬を郵送処方してもらえる「AGAオンライン診療」を行う病院が出てきました。
デリケートな薄毛の悩みという性格上、実際に対面することなく診察を受け、薬を処方してもらえるネットでのAGA診察に興味がある人は多いでしょうね。
AGA治療に限らずオンライン診療を行う病院が増えてきたのは、2015年8月に厚生労働省が各都道府県に対して出した「事務連絡」が発端。これは「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」に対する「事務連絡」。
診療は、医師と患者の直接対面が基本だけど留意事項があるよ。
というのが、「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」。
留意事項は以下の通り(一部抜粋)
2 留意事項
(1) 初診及び急性期の疾患に対しては、原則として直接の対面診療によること。
(2) 直接の対面診療を行うことができる場合や他の医療機関と連携すること により直接の対面診療を行うことができる場合には、これによること。
(3) (1) 及び (2) にかかわらず、次に掲げる場合において、患者側の要 請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切 に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこと。
ア 直接の対面診療を行うことが困難である場合 (例えば、離島、へき地 の患者の場合など往診又は来診に相当な長時間を要したり、危険を伴う などの困難があり、遠隔診療によらなければ当面必要な診療を行うこと が困難な者に対して行う場合)
イ 直近まで相当期間にわたって診療を継続してきた慢性期疾患の患者な ど病状が安定している患者に対し、患者の病状急変時等の連絡・対応体 制を確保した上で実施することによって患者の療養環境の向上が認めれ る遠隔診療(例えば別表に掲げるもの)を実施する場合
初診から遠隔診療はダメ。
直接対面診療を行うことができる場合、直接診察してね。
でも、離島や僻地在住で対面診療が難しい場合や、すでに長い期間治療を行ってきていて症状が安定している場合などは初診から対面とかじゃなくてもOKですよ。
って内容。
この留意事項に関しての解釈に言及したのが2015年の「事務連絡」。
事務連絡は以下の通り(一部抜粋)
3.平成9年遠隔診療通知の「1 基本的考え方」において、診療は、医師又 は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本であるとされているが、平成9年遠隔診療通知の「2 留意事項(3)ア」又は「2 留意事項 (3)イ」に示しているとおり、「2 留意事項(1)及び(2)」にかかわ らず、患者側の要請に基づき、患者側の利点を十分に勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるときは、遠隔診療によっても差し支えないこととされており、直接の対面診療を行った上で、遠隔診療を行わなければならないものではないこと。
参照:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000094452.pdf
これを受けて、事実上遠隔診療解禁的な流れが加速。遠隔診療事業に取り組む業者が増えたというわけです。
しかしながら、2016年3月に厚生労働省は、対面診療を行わずに遠隔診療だけで完結させる事業について「医師法違反」であるという回答を行っている。
これは、東京都が厚生労働省に出した照会に回答する形で出されたもの。
「対面診療を行わず、遠隔診療だけで診療を完結させることを想定した事業を提供しているところもある。~中略~ このような場合は、当該事業を行う者は、無診察治療を禁止した医師法(昭和23年法律第201号)第20条に違反するものと解してよろしいか?
という東京都からの照会に
「貴見のとおり」
と回答。(医政医発0318第6号)
対面での診療を一切行わない想定でのネット診察・遠隔診療は無診察治療に相当する違法行為である可能性が示されたわけですけど、解釈の仕方によってどうとでもなる微妙な感じですよね。
患者側としては、安心かつ安全に適切な治療を受けられるならそれでいいんですけど…。何か問題が起きる前に法整備だけはしっかりとしておいて欲しいものです。あとは監視の目ですよね。ネットで病院が開院できちゃったら、偽物医師とか出回って個人輸入でゲットした薬を処方して荒稼ぎ…なんてことになったりしません?詐欺サイトみたいにあとあと見たらサイトの痕跡が消えてるとか、電話がつながらないとか。
ネットで開院ってあまりにも手間がかからないから逆に怖い気がしちゃうんですけど。今すぐ病院OPENしました!ってホームページを掲げることって誰だってできちゃうわけですから。しかもネットは取り締まるのが難しい。パトロールしている人はいるようですけど、見つけるのに時間かかるでしょうしね。せめて実在の病院以外はネット病院を開院しちゃダメとかにしないと取り締まるのも大変でしょうなあ。
すでに開院しているAGA治療関連のオンライン病院を見ると、初診から再診、すべての治療をオンラインで完結できるとうたっちゃってはいるものの、何か問題があった場合や、外来での診察を望む場合は、実際に提携している病院での対面診察は受診可能とのこと。
AGA治療が人に会わずに受けられるというのは、シャイな薄毛人たちにとっては非常に喜ばしいことかもしれないけど、副作用の懸念もある薬を服用するわけですから、血圧はかったり、血液の状態みたいとか色々チェックしてもらいたいってのが正直なところです。
ただ、まだまだ地方にはAGA専門病院は少ないのが現状ですから、地方在住者にとっては通わなくてもオンラインで診察できるネット治療の発展はありがたいことでしょう。それに、都会よりも周囲との距離が近く、ご近所の目が気になるような場所に住んでいる人にとっては、薄毛の悩みを相談に病院に行くというのは結構ハードル高かったりしますからね。
そういう意味でも、法的な整備もしっかり行い、遠隔診療が可能ならば、安全かつ安心して受けられるようにして欲しいですね。
ただ、個人的な感想としては、いきなり新規でオンライン病院ができました!と言われても、見てもらうのはちょっと怖いというか、信頼しても大丈夫なの?ってところはありますよね。
AGA治療は継続することが大事な治療です。ずっと頼れる病院を見つけるようにしてくださいね。